オーダー食器棚はどこまで自由に作れる?特殊寸法・変形間取りのQ&A

「うちは梁が下がっているから」「壁が真っすぐじゃないから」「幅が中途半端だから」――そんな理由で、ぴったりの食器棚を諦めてしまう方はとても多いです。既製品を探しても合うサイズが見つからず、「もうこのすき間は仕方ない」と思ってしまうお気持ちも、よく分かります。
でも、オーダー家具はもともとその場所を採寸してから、その場所のためだけに作るものです。だから、変わった形の場所ほど本領を発揮します。ここでは「これはできますか?」と実際によくいただくご質問に、Q&A形式でお答えしていきます。ご自宅の状況と重ねながら読んでみてください。
Q1. 寸法は本当に「1mm単位」で作れるのですか?
はい、作れます。私たちのオーダー家具は1mm単位の完全フルオーダーです。カタログから近いサイズを選ぶのではなく、ご注文後に担当者がご自宅へ伺って現地を採寸し、その寸法をもとに製作します。
「JustPlan」のように品番と価格を掲載しているシリーズもありますが、これはあくまでデザインのご提案です。掲載寸法どおりに作るという意味ではなく、設置場所に合わせて寸法を変えてお造りします。仕様を一部変更したい場合も、多少の増減価格で対応できます。気になるプランがあれば、プラン名と変えたい箇所をお伝えいただければお見積りします。
Q2. 天井までいっぱいに作れますか?梁や下がり天井があります
作れます。むしろ、天井まで使い切れるのがオーダーの大きな利点です。既製品は高さが決まっているため、上に必ずすき間ができて、そこがホコリの置き場になってしまいがちです。
マンションで多いのが、天井から下がってきている梁(はり)。梁の部分だけ家具を低くする、あるいは梁の形に合わせて欠き込む、といった納め方ができます。詳しくはマンションの梁と食器棚の納め方でお話ししています。この記事のいちばん上の写真も、実際に梁を欠き込んで納めた例です(s182の施工例)。上部は天井まで使い切りながら、梁の部分だけ形を合わせています。
Q3. 壁から柱が出っ張っています。壁も真っすぐではないようです
こちらも対応できます。柱や壁の出っ張り、足元の巾木といった障害物は、家具側に欠き込みを入れて、その形をよけながら壁にぴったり寄せられます。既製品だと出っ張りに当たってしまい、家具全体が前にせり出したり、横に大きなすき間ができたりしますが、オーダーならその無駄が出ません。
考え方は壁や柱の出っ張りを欠き込みでぴったり寄せる方法にまとめています。
Q4. 幅が中途半端に余ります。狭すぎる場所でも作れますか?
「あと5cm幅があれば既製品が入るのに」という中途半端なすき間こそ、オーダーの出番です。その幅ちょうどに作れば、すき間なく納まって収納量も増えます。
奥行きが浅い場所も同様です。対面キッチンの腰壁の裏など、薄いスペースを収納に変える作り方もあります。ただし浅い奥行きでは扉の開き方に注意が必要で、前に椅子や通路があるなら引違い扉・スライド扉が向きます。詳しくはカウンター下収納の活かし方をご覧ください。
なお「どこまで細くできるか」「どこまで薄くできるか」は、収納するものと強度のバランスで決まります。極端に細い・薄いご要望のときは、現地を見たうえで「この寸法なら安心して使えます」という形をご提案します。
Q5. 奥行きが場所によって違います(冷蔵庫スペースなど)
ひとつの家具の中で、奥行きを変えることもできます。よくあるのが、冷蔵庫を置くスペースの深い奥行きと、食器棚部分の浅い奥行きが混在するケース。ここを別々の家具でつなぐのではなく、奥行きの違う収納をひとつなぎに造作すると、見た目も収納量もきれいに整います。
この考え方はL型(奥行き違い)の食器棚で詳しくお話ししています。
Q6. 壁一面の大きな家具は、家に入らないのでは?
ご安心ください。造作の家具は分割して搬入し、現地で組み立てます。そのため、玄関やエレベーター、階段が狭くても、壁いっぱいの大きな収納を作ることができます。分割の位置は、搬入経路と仕上がりの見え方の両方を見ながら決めていきます。
設置後は壁にしっかり固定するので、地震のときの転倒対策にもなります。
Q7. コンセントや点検口をよけられますか?
よけられます。壁のコンセントや点検口の位置を採寸のうえ、背板に開口をあける、家具の位置を調整する、といった方法で対応します。ここを見落とすと「家具を置いたらコンセントが使えなくなった」「点検口が塞がった」ということになりかねないので、採寸のときに必ず確認しています。
Q8. 通路が狭くなりませんか?どのくらい空けるべきですか?
これは寸法の自由度とセットで考えたい大事なポイントです。奥行きを深くすれば収納量は増えますが、そのぶんキッチンとの通路は狭くなります。1人で作業するのか、すれ違うのかで必要な幅は変わりますし、冷蔵庫を搬入・買い替えできる幅も確保しておきたいところです。
目安の数字は食器棚の前は何cm空ければいい?にまとめていますので、奥行きを決める前にぜひ読んでみてください。
Q9. 特殊な寸法だと、価格は高くなりますか?
「変わった形だから割高になるのでは」と心配される方がいますが、価格を大きく左右するのは特殊さそのものよりサイズ(使う材料の量)です。幅・高さ・奥行きが大きくなるほど材料と手間が増えます。欠き込みや開口といった加工が増えれば手間のぶん変わりますが、「変形だから何倍にもなる」というものではありません。
価格の決まり方はオーダー家具の価格はどう決まる?で詳しくお話ししています。
Q10. うちの場合は作れるのか、先に知りたいのですが
いちばん確実なのは、実際の形を見せていただくことです。マンションなら間取り図(平面図)、戸建てや今のキッチンならお写真があれば、梁や柱の有無、奥行きの取り方、搬入経路の見当までお話しできます。
「こんな変わった形でも大丈夫ですか」というご相談は、私たちにとってごく日常的なものです。むしろ、そうした場所こそオーダーが活きます。実際の仕上がりは食器棚の施工例もご覧ください。気になったら、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
- 寸法は1mm単位の完全フルオーダー。現地を採寸してから製作します
- 梁・下がり天井は形に合わせて納められ、天井まで使い切れます
- 柱や壁の出っ張り・巾木は欠き込みでよけて、壁にぴったり寄せられます
- 中途半端な幅・浅い奥行きこそオーダーの出番。扉の開き方で使いやすさが変わります
- ひとつの家具で奥行きを変えることもできます(冷蔵庫スペースなど)
- 大きな家具も分割搬入・現地組立なので、狭い搬入経路でも作れます
- 価格を左右するのは特殊さよりサイズです
- 迷ったら間取り図やお写真を見せてください
「うちは変わった形だから」と諦める前に、一度ご相談ください。その形だからこそ、ぴったりの一台が作れます。










